この章では PADEL (PAD Expression Language)の文法につい て説明する。
PAD図を描くためには、まずテキストファイルとしてPADのソースファイルを作っ てやり、それを第 1章で述べたように pad2ps シリー ズのコマンドを使って変換する。 このPADのソースは PADELという文法に従って書くが、この書き方はC言語 のプログラムとよく似ている。 であるから、C言語を多少なりとも知っていれば、PADELでPAD図を描くのは思っ たより簡単であろう。
ただ、注意しないといけない点もいくつかある。 特に大事なことは、改行コードが重要な意味を持っている、ということである。 以下の節で、改行する、といわれたら必ず改行し、また余計なところでは改行は するべきではない。 改行コードが重要になったのは、文字列に自由度を持たせたことが原因である。 それに比べて、空白はかなり自由に使うことができる。 特に、文頭の空白は無視されるので、好きなようにインデントして構わない。
文字列については、他の言語に比べて格段に自由度が高い。 ブレース、括弧などは自由に使用して構わないし、左右の対応がとれていなくて も問題ない。 " と ' についても同様で、" が1つだけしかなくても構わない。 また、\ のような記号も、英数字と全く同様に書くことができる。 これは、たとえ記号であろうとも、なるべくPADELに書いた文字をそのまま図の 中に書けるようにした方が、 pad2ps シリーズの使用目的に合っているの ではないか、という考えによるものである。 よって、
if( (^_^;;; ) m(_ _)m <=={ '"^\(-o-)
というイラストのようなPADELを書いても、
のように、書いたままのPAD図を描くことができる。
また、1.3節の pad2texのところで述べたように、パラメー タ変数 texmodeに latex を指定した場合はそのまま出力されるのではなく、 LaTeX によって LaTeX の命令として処理される。 この場合も、上記の方針により、わざわざ \ を \\ などとする必要がなく、LaTeX のコマンドをそのまま PADEL に書くことができる。