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page 19
I. 論理性と客観性
- I1. 論理的推論に基づいて結論を導いたり、実際の結果を説明でき
るような仮説を検討し構築する技能。(知識:情報一般)、(汎用:論理)、(汎用:問題解決)
- L1: 共通性の発見や類推的などを用いて筋道を立てて判断や推論が行なえる。(小般)
- L2: 帰納的、類推的、演繹的な推論について理解し、これらを実践できる。(中般)
- L3: 一般的な事項の推論において前提や帰結を整理し論理の筋道を構築できる。(高必)
- L4: 事項を最もよく説明する仮説を選択する推論(アブダクション)が実践できる。(高必)
- I2. 人間が受け取る情報やその身体的活動が、思考過程やそれ
が導き出す判断に影響を及ぼすことに関する知識・理解。
(知識:人間社会)、(知識:システム)、(汎用:論理)
- L1: 人や自分の判断が必ずしも一貫していないことを認識している。(中般)
- L2: 錯覚・錯視や「見たいものを見る」等人間の認知の特性を意識できる。(高必)
- L3: 先入観・同調圧力・釣り橋原理等、人の判断に影響する事象を知っている。(大他)
- L4: 人や自分の判断において影響した可能性のある要因を列挙・評価できる。(大普)
- I3. 主観的な情報と客観的な情報を区分し、自分自身の考え
を客観視できる態度。(汎用:論理)、(汎用:コミュ)
- L1: 主観的と客観的の違いを知り、両者を区別して受け取れる。(小般)
- L2: 主観的な意見や希望に対し、理由を聞くなど明確化して受け取れる。(中般)
- L3: 客観的な事実に対し、その裏付けや正確さを調べて判断できる。(高般)
- L4: 自分の考え(主観)に客観性を持たせることを意識し実行できる。(大普)
- I4. ものごとを論理的に筋道立てて考え、客観的情報に基づき
判断する態度。(汎用:論理)、(汎用:コミュ)、(汎用:チーム)
- L1: ものごとの説明を裏付けや論理の飛躍の有無も考えて読み取れる。(高他)
- L2: 重要な判断は好みでなく客観的な理由を意識して行なえる。(大他)
- L3: 自分の判断の理由を筋道立てて説明できるかどうか確認できる。(大他)
- L4: 判断に際して不足する情報を収集した上で論理的に判断できる。(大普)
- 小学校 ---
I1L1については、算数の中で筋道を立てて判断する内容
を学び練習することが考えられる。I3L1については、国語の中でこの内
容について取り上げ文章の読み取りにおいて主観と客観を区分する練習
を行うことが考えられる。
- 中学校 ---
I1L2については、数学の中で帰納、類推、演繹を用いた
推論や論理的な道筋を記述することを扱うことが考えられる。I2L1、
I3L2については、国語の中で取り扱い、とくにI3L2については話し合い
などの活動全般においてその実践を意識させるようにすることが望まし
い。
- 高校 ---
I1L3、I1L4については、情報科の必履修科目の中で一般的
な事項に対する問題解決を取り扱う中で、前提や帰結の整理、推論の道
筋の構築、仮説の検討や構築を扱うことが考えられる。I2L2、I2L3につ
いては、情報科の必履修科目の中で人間の特性として含まれるようにし、
実習時などにこれらについて配慮するようにさせることが望ましい。
I3L3、I4L1については、国語の内容として含まれるべきであるが、他の
教科の活動においても全般に考慮するものとして扱うことが望ましい。
- 大学一般 ---
I2L3、I4L2、I4L3については、一般教育の中で
論理性・客観性について学び、訓練する科目として含めることが考えら
れる。
- 普遍的事項 ---
I2L4、I3L4、I4L4については、ゼミや卒業研
究などを通して総合的に身に付けるべき事項である。
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