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A. 情報およびコンピュータの原理
- A1. 情報が持つ特性やその表現方法に関する知識・理解。
(知識:情報一般)、(知識:機械情報)
- L1: 情報(知らせ)とは何かということ。(小情)
- L2: 情報を外部化(書き記すなど)により記録・表現できるということ。(小情)
- L3: デジタル/アナログ、二進表現、多様な情報の表現方法。(高必)
- L4: 個体や組織とそれらにとって情報のやりとりが持つ意味。(大情)
- A2. コンピュータや情報技術の基本原理とできることに関する
知識・理解。(知識:機械情報)、(知識:情報処理)
- L1: コンピュータが「自動的に情報を処理する装置」であること。(小情)
- L2: コンピュータとプログラム(基本ソフト、応用ソフト)を含むデジタル情報の関係。(高必)
- L3: 情報量・エントロピー、コンピュータの万能性(万能チューリングマシンとの等価性)。(大情)
- L4: 機械学習などによる判断能力の獲得やシンギュラリティなど。(大情)
- A3. コンピュータネットワークやその上の情報の流れとコミュ
ニケーションの特性に関する知識・理解。(知識:機械情報)、(知識:人間社会)
- L1: コンピュータネットワークの存在やその働き。(小情)
- L2: コンピュータネットワークを通じたコミュニケーションの存在や特性。(小情)
- L3: コンピュータネットワークの構造・パケット・プロトコル等の基本原理。(高必)
- L4: コンピュータネットワーク上のコミュニティやそのあり方の理解。(大情)
- A4. コンピュータやネットワークにまつわるセキュリティの概念や
そのための技術に関する知識・理解。(知識:機械情報)、(知識:人間社会)、(知識:システム)
- L1: コンピュータやネットワークにまつわる「安全」の意識と基本知識。(小情)
- L2: マルウェア、不正アクセス等のセキュリティの基本的な知識・理解。(小情)
- L3: 情報セキュリティの考え方・原理と暗号などのセキュリティ技術の理解。(高必)
- L4: 情報社会での情報技術関連のリスク要因・リスク評価の知識・理解。[哲法][社経]
- A5. コンピュータやそこで動くプログラムの記述を通じて情報を
取り扱ったり機器を制御する技能。(汎用:論理)、(汎用:問題解決)
- L1: 情報端末を通じて情報を取得したりリモコンで機器を制御できること。(小情)
- L2: アプリケーションや自作ソフトで実際に情報を取り扱い加工する技能。(中情)
- L3: センサーによる環境情報の自動計測や調温・調光等の自動制御の原理。(中情)
- L4: フィードバック制御プログラムの作成、AI技術が人間の補助・代行を行う原理。[理工]
- 小学校 ---
A1L1、A1L2については、国語で読み書き(とくに書き)を学ぶ中で体験的
に理解させるのがよいと考える。
A2L1については、プログラミングの導入時に扱うのがよく、総合的な学
習の時間においてプログラミングの回の最初に座学で取り上げることが
考えられる。
A3L1、A3L2、A5L1については、生活科(中学年以上に置く場合は理科や
社会科)に含め、コミュニケーションの体験、リモコンで制御する体験
など、体験を中心に行なうことが考えられる。ただし、体験だけにとど
まらず、それがどういう意味を持っているのかを考えさせることも含め
たい。
A4L1、A4L2は安全教育であり、道徳や総合学習で扱うのがよいと考える。
基礎的な知識の説明は必要であり、そこは座学でもよいが、座学だけで
は身につかないので、話し合い、ロールプレイ、実話を体験者に話して
もらうなどの形で実感を持たせるべきである。
- 中学校 ---
A5L2は技術の中で扱う内容であり、ソフトや自作のプログラムを通じて
有用な情報の取り扱いを行う内容となる。A5L3も技術の中で扱う内容で
あり、制御機器を組み立てて動かすなどの形が考えられる。それほど難
しくないプログラムによる制御も可能であるので、できればプログラム
を用いた制御も併せて体験できることが望ましい。
- 高校 ---
A1L3、A2L2、A3L3、A4L3はいずれも現時点で情報科の中で
取り扱われている内容である。その形態は座学が多いが、座学だけでは
定着しにくいので、アンプラグド的な実習を取り入れ
ることでそれぞれの事項の本質に触れる方法などを併用することが望ま
れる。
- 大学一般 ---
A1L4、A2L3、A2L4については、一般教育の中で講義的
に取り上げ知識を持たせることが考えられる。とくにA2L3の万能性については、
チューリングマシンはじめ計算の理論は専門的な内容であるので扱わな
いとしても、今日のコンピュータや量子コンピュータなどすべての「ディ
ジタル情報を扱う計算装置」は、計算速度は違うとしても、計算できる
ことがらの範囲についてはすべて等価である、そのことはコンピュータ
が「ソフトを取り換えることで多様な処理が行える」という形で現れて
いる、ということを理解させることが考えられる。A3L4については、実習などの
形で実際にコミュニティを体験させる中で学ぶことを想定する。
- 大学専門 ---
A4L4については、[哲法]では法学的・政治学的な立場から
おもに定性的にこのテーマを扱うことが考えられる。[社経]では社会への影
響や経済的損失など定量的にこのテーマを扱うことが考えられる。
A5L4については、工学的な扱いで実際にこれらの内容を実習した
り、それに基づいた講義により理解させることが考えられる。
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