構造体の概要
さて, 本題.
構造体についての概略は以下のとおり:
(ここだけ読んでもわからないと思う; 教科書を読んでから読んでみて,
理解をチェックしてみてほしい)
- 構造体とは, 複数の値をひとまとめにして扱うための「新しい型」である.
それぞれの構成要素をメンバという.
- 構造体の形を決めるのを「構造体の宣言」という.
この段階では, 記憶場所(メモリ)はまだひとつも確保されていない.
(宣言が必要な点が, これまでの int や float という「基本的な型」とは
異なっている; 基本的な型はあらかじめ宣言されている)
- 構造体型の変数を定義すると, はじめて記憶場所(メモリ)がとられる.
ここは int型の変数の宣言と同じこと.
- 構造体の値の構成要素(メンバ)を参照したり代入したりするには,
ピリオド「.」という記号を使う.
- メンバ毎に参照,代入するのとはべつに, 構造体全体をまるごと参照,代入できる.
たとえば構造体のまるごとコピーとか, 構造体全体を関数に引数として渡すとか.
- 構造体の配列は, intの配列などと考え方は同じ.
じつは構造体はたいへん重要な機能である.
たとえば, 実世界のモノはひとつの値だけでは表せない.
学生番号, 氏名などの複数の値の組として表現するのがよい.
ここを難しくいうと, 「実世界のモデル化」のためには構造体が適しているわけである.
まだ C 言語では, 構造体という名でただのデータ型の一種に過ぎないけれど,
構造体がもっと進化すると, 「オブジェクト」というものになって,
現代のプログラミングで非常に重要な役割を果たすようになる.
「オブジェクト指向」って聞いたことがあるかな?
(まあしかしそれはこの授業よりずっと先の話…)
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