第8章 応用問題の解説

最初は平均値も整数で求めるプログラム. 説明はコメントを見てもらえばわかるが, 注意する点としては

• データの合計と, データの件数を覚えておくために別々の変数を 使う. どちらも正しく 0 にしておかないといけない.

• データは読んでみないと完了のしるし(-1)かどうかわからない. そのため, 最初のデータだけはループの前に読んでおいて, 二回目以降はループの後半で読むようにしてある.
  (同じデータ読み込みの処理を二回書かなければいけないのは気持ちが悪い. しかし, while文を素直に使おうとすると, こうせざるをえない.)

#include <stdio.h>

#define MAXLINE 256

int main(void);

int main(void)
{
  int ndata;			/* データの件数をかぞえるため */
  int sum;			/* 合計を保持 */
  int av;			/* 平均値を格納する - ここでは整数で */

  char buffer[MAXLINE];		/* 入力読み込み用 */
  int data;			/* 一件の入力データ */

  ndata = 0;			/* データ件数をリセット */
  sum = 0;			/* 合計もリセット */

  gets(buffer);			/* 先頭のデータを読んでおく */
  data = atoi(buffer);

  while(data != -1){		/* -1 にならない限り繰り返す */
    sum = sum + data;		/* 合計に足しこむ */
    ndata++;			/* データ件数を更新 */

    gets(buffer);		/* 次のデータを読む */
    data = atoi(buffer);
  }

  av = sum / ndata;		/* 平均の計算 */

  printf("Sum=%d\n", sum);	/* 出力 */
  printf("Average=%d\n", av);
}

• 和を覚えておく変数 sum と, 平均を求める変数 av の型を, 整数型ではなく浮動小数点型(float, 教科書P.56)にするのが第一歩. つまり, 変数宣言を

  
    float av;
    float sum;
  

  とする.

• 平均値を求める箇所には変化なし.

  
    av = sum / ndata;
  

  ただし, 右辺の割算をよく見ると, 被除数 sum は浮動小数点型で, 除数 ndata は整数である. このように「型が混ざった」演算では, より「一般的な」型に自動的に変換され てから計算されることになっている (教科書では, もっと先の方(P.217あたり)で出てくる). この例では, 除数が浮動小数点型に変換されて, 小数同士の割算が行なわれる.

• 結果を出力するところ, 「%d」は整数を表示するための指定なので, 浮動小数点数を表示する指定「%f」(教科書 P.58)に置き換えて,

  
    printf("Sum=%f\n", sum);
    printf("Average=%f\n", av);
  

  とする.