PAD (Problem Analysis Diagram)
前述のとおり, フローチャートの欠点として,
矢印を使うことで制御の流れが無制限に書けてしまうので,
それをプログラムに変換する段になってうまく行かなかったり,
読みにくいプログラムになってしまう.
この欠点を改善するために作られた図による表現方式が PAD である.
下に, さっきと同様の 1 から 10 までの和のプログラムを示す.
おもな構成要素は, 以下の通り:
- 処理. プログラムにおける処理の一ステップを示す.
代入文, 関数呼出などが入る.
- 反復. 中には繰返しを続ける条件を書く.
右側に書いた処理を条件が成立する限り繰り返す.
範囲指定の繰返しというのもある. (上の10までの和の例のは, こちら)
- 選択. 条件分岐を示す. 箱の中には条件式を書く.
条件が真の場合は右上の線を, 偽の場合には右下の線を実行する.
- 連接. 複数の処理を続ける時には, 縦に並べて左端を垂直な線でつなぐ.
- 出力. 右下の欠けた長方形で示す. 中には出力すべき式や変数を書く.
- 入力. 右上の欠けた長方形で示す. 中には入力すべき変数を書く.
こちらの方がずっとプログラム言語との相性がよく,
ほとんどそのままプログラムに変換できる.
もともと, 「構造化プログラミング (structured programming)」
というプログラムの設計法のためにつくられた表現であり,
「プログラムを連接, 反復, 選択だけでつくる」という
原理にのっとっている.
しかし, PAD では, たとえば C 言語でのループの途中からの脱出(break文)
はうまく記述できないなど, やや問題点もある.
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